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住宅宿泊事業法(民泊新法)

民泊新法

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民泊事業が世界各国で展開されており、日本でも急速に普及しております。
急増する訪日外国人観光客のニーズや宿泊需給の逼迫状況等に対応するため、民泊事業の活用を図ることが必要です。
一方、民泊サービスに起因した近隣トラブルも少なからず発生しており、社会問題となっているのも事実です。
民泊サービスの提供に関して一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図ることが急務となっております。
このような背景があり、2017年3月10日に「住宅宿泊事業法案」が閣議決定されました。
その後、2017年6月9日に住宅宿泊事業法が成立、早ければ2018年初旬には施行される見込みとなっております。
住宅宿泊事業法とは、従来の旅館業法で定める4つの営業形態や国家戦略特区の特区民泊に当てはまらない、新しい営業形態である「住宅宿泊事業」に関して規定する法律です。

住宅宿泊事業法が施行される前の段階でも届出・登録が可能となりますが、現時点ではまだ施行の日が決まっていないため、届出を行うことができません。
住宅宿泊事業法での運用をお考えでしたら、施行の日や届出可能の日が決まり次第、当事務所よりご連絡いたします。
ご希望の方はこちらからお問い合わせください。

概要

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1.住宅宿泊事業に係る届け出制度の創設
(1)住宅宿泊事業(住宅に人を180日を超えない範囲で宿泊させる事業)を営もうとする場
    合、都道府県知事(住宅宿泊事業の事務処理を希望する保健所設置市又は特別区におい
    てはその長)への届出が必要
(2)年間提供日数の上限は180日
(3)地域の実情を反映する仕組み(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)を導入
(4)住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(宿泊者の衛生の確保の措置等)を義務付け
(5)家主不在型の住宅宿泊事業者に対し、住宅宿泊管理業者に住宅の管理を委託することを
    義務付け

2.住宅宿泊管理業に係る登録制度の創設
(1)住宅宿泊管理業(家主不在型の住宅宿泊事業に係る住宅の管理を受託する事業)を営も
    うとする場合、国土交通大臣の登録が必要
(2)住宅宿泊管理業の適正な遂行のための措置(住宅宿泊事業者への契約内容の説明等)と
    1(4)の措置の代行を義務付け

3.住宅宿泊仲介業に係る登録制度の創設
(1)住宅宿泊仲介業(宿泊者と住宅宿泊事業者との間の宿泊契約の締結の仲介をする事業)
    を営もうとする場合、観光庁長官への登録が必要
(2)住宅宿泊仲介業の適正な遂行のための措置(宿泊者への契約内容の説明等)を義務付け

住宅宿泊事業法の対象となる民泊事業

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旅館業法の対象外となる条件として、「人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないもの」とされています(第二条三項)。
180日を超える施設は住宅宿泊事業法の対象外となり、従来の旅館業法に基づく営業許可が必要になります。

住宅宿泊事業法の基本的な考え方

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住宅宿泊事業法の対象となる民泊施設は、ホテルや旅館などの宿泊施設ではなく、あくまで「住宅」という位置づけになります。
新たに「住宅宿泊事業者」、「住宅宿泊管理業者」、「住宅宿泊仲介業者」の届出・登録制度を創設することで、行政がこれらを把握し、適切な管理や安全面・衛生面を確保される仕組みになっております。

施設の要件

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住宅宿泊事業法で民泊として提供できる「住宅」は以下のように定義されています。

◆第二条一項◆
この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。
一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用す
  るために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられている
  こと。
二 現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後
  新たな入居者の募集が行われている家屋その他の家屋であって、人の居住の用に供され
  ていると認められるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものに該当するこ
  と。
 
上記のように、台所や浴室、洗面設備等生活をするうえで必要な設備が備わっていることが必要とされています。そのため、一般的な事務所のような台所のない空きスペースでは「住宅」とは認められません。

住宅宿泊事業者の届出内容

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(1)商号、名称又は氏名及び住所
(2)法人である場合においては、その役員の氏名
(3)未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
(4)住宅の所在地
(5)営業所又は事務所を設ける場合においては、その名称及び所在地
(6)住宅宿泊管理業者の商号等
   →住宅宿泊管理業務を委託する場合、委託する住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名等
    の届出をします。
(7)その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項
(8)誓約書
   →以下の項目に該当しないことを誓約する書面を添付します。
   一 成年被後見人又は被保佐人
   二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
   三 第十六条第二項の規定により住宅宿泊事業の廃止を命ぜられ、その命令の日から三年
     を経過しない者(当該命令をされた者が法人である場合にあっては、当該命令の日前
     三十日以内に当該法人の役員であった者で当該命令の日から三年を経過しないものを
     含む)
   四 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは旅館業法の規定により罰金の刑に処
     せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年
     を経過しない者
   五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員又
     は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
   六 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号の
     いずれかに該当するもの
   七 法人であって、その役員のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者があ
     るもの
   八 暴力団員等がその事業活動を支配する者

住宅宿泊事業者とは

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住宅宿泊事業者とは、「届出をして住宅宿泊事業を営む者」と定義されています(第二条四項)。
「民泊事業を行う人」が住宅宿泊事業者にあたります。

住宅宿泊事業者の義務

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住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業務をする場合は、以下のような管理を求められます。
管理・運営を第三者に委託する場合は、委託された住宅宿泊管理業者が以下の管理を行うことになります。
 
(1)宿泊者の衛生の確保
◆第五条◆
住宅宿泊事業者は、届出住宅について、各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置であって厚生労働省令で定めるものを講じなければならない。
 
(2)宿泊者の安全の確保
◆第六条◆
住宅宿泊事業者は、届出住宅について、非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。
 
(3)外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
◆第七条◆
住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対し、届出住宅の設備の使用方法に関する外国語を用いた案内、移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供その他の外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。
 
(4)宿泊者名簿の備付け等
◆第八条◆
一項 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。

二項 宿泊者は、住宅宿泊事業者から請求があったときは、前項の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を告げなければならない。
 
(5)周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
◆第九条◆
一項 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、宿泊者に対し、騒音の防止のために配慮すべき事項その他の届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項であって国土交通省令・厚生労働省令で定めるものについて説明しなければならない。


二項 住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対しては、外国語を用いて前項の規定による説明をしなければならない。
 
(6)苦情等への対応
◆第十条◆
住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない。
 
(7)住宅宿泊管理業務の委託
◆第十一条◆
一項 住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りでない。
一 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を
  行ったとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・
  厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。
二 届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令
  で定めるものを除く。)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用す
  る住宅と届出住宅との距離その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業
  者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合とし
  て国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)。

二項 第五条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者については、適用しない。
 
(8)宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託
◆第十二条◆
住宅宿泊事業者は、宿泊サービス提供契約(宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスの提供に係る契約をいう。)の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならない。

 
(9)標識の掲示
◆第十三条◆
住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない。
 
(10)都道府県知事への定期報告
◆第十四条◆
住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。

住宅宿泊管理業者とは

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「住宅宿泊管理業」とは「住宅宿泊事業者から第十一条第一項の規定による委託を受けて、報酬を得て、住宅宿泊管理業務を行う事業をいう」と定義されています(第二条六項)。
「住宅宿泊管理業務」とは「第五条から第十条までの規定による業務及び住宅宿泊事業の適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全に関する業務をいう」と定義されています(第二条五項)。
「住宅宿泊管理業者」とは「登録を受けて住宅宿泊管理業を営む者をいう」と定義されています(第二条七項)。
 
簡潔に説明しますと、住宅宿泊管理業者とは「住宅宿泊事業法で定められた規定を順守し、実際に民泊サービスの管理・運営をする者」ということになります。
住宅宿泊管理業を営もうとする場合は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません(第二十二条)。
また、登録は5年ごとの更新が必要になります。
 
住宅宿泊管理業者は、特に以下の点に注意が必要です。
 
(1)住宅宿泊管理業者の登録の取り消し等
◆第四十二条◆
一項 国土交通大臣は、住宅宿泊管理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第二十五条第一項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当することとなったとき。
二 不正の手段により第二十二条第一項の登録を受けたとき。
三 その営む住宅宿泊管理業に関し法令又は前条第一項若しくはこの項の規定による命令に
  違反したとき。
四 都道府県知事から次項の規定による要請があったとき。

二項 都道府県知事は、住宅宿泊管理業者が第三十六条において準用する第五条から第十条までの規定に違反したとき、又は前条第二項の規定による命令に違反したときは、国土交通大臣に対し、前項の規定による処分をすべき旨を要請することができる。

三項 国土交通大臣は、第一項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

四項 国土交通大臣は、住宅宿泊管理業者が登録を受けてから一年以内に業務を開始せず、又は引き続き一年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。

五項 第二十五条第二項の規定は、第一項又は前項の規定による処分をした場合について準用する。
 
上記のように、法令違反となる行為をした場合、登録の取り消しや業務停止になる可能性があります。
 
(2)再委託の禁止
◆第三十五条◆
住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業者から委託された住宅宿泊管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない。
 
住宅宿泊管理業者は、委託された業務の全てを第三者に再委託することができません。
再委託を認めることで実際に管理・運営を行っているのが誰なのか、行政が把握することができなくなる恐れがあるため、このような規定が設けられていると考えられます。

住宅宿泊仲介業者とは

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「住宅宿泊仲介業」とは「旅館業法第六条の四第一項に規定する旅行業者以外のものが、報酬を得て、前項各号に掲げる行為を行う事業をいう」と定義されています(第二条九項)。
「住宅宿泊仲介業務」とは「宿泊者のため、届出住宅における民泊サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為」「住宅宿泊事業者のため、宿泊者に対する届出住宅における宿泊サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為」と定義されています(第二条八項)。
「住宅宿泊仲介業者」とは「登録を受けて住宅宿泊仲介業を営む者をいう」と定義されています(第二条十項)。
 
簡潔に説明しますと、住宅宿泊仲介業者とは「宿泊者と住宅宿泊事業者との宿泊契約の締結の仲介をする者」ということになります。
住宅宿泊仲介業を営むためには、観光庁長官の登録が必要になります(第四十六条)。
住宅宿泊管理業者と同じく、登録は5年ごとの更新が必要です。

住宅宿泊事業法の特徴

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(1)条例
◆第十八条◆
都道府県(第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理する保健所設置市等の区域にあっては、当該保健所設置市等)は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。
 
上記のように、住宅宿泊事業法では、営業日数を条例で制限することが出来るとされています。
民泊を始めようとする地域の条例で営業日数が制限されていないか、必ず事前に確認する必要があります。
 
(2)営業日数の上限
条例で営業日数の制限がされていなくても、最大で年間180日しか営業をすることが出来ません。
 
(3)住居専用地域での営業が可能
住宅宿泊事業法では、旅館業法や特区民泊で営業が出来ない「住居専用地域」でも民泊サービスを行うことが出来るとされています。
これは非常に大きなポイントになります。
これまで用途地域の問題で許認可取得を断念された方も沢山いらっしゃいましたが、住宅宿泊事業法の施行により、より多くの方が適法に民泊ビジネスを行うことができるようになります。

最後に

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住宅宿泊事業法が施行される前の段階でも届出・登録が可能となりますが、現時点ではまだ施行の日が決まっていないため、届出を行うことができません。
住宅宿泊事業法での運用をお考えでしたら、施行の日や届出可能の日が決まり次第、当事務所よりご連絡いたします。
ご希望の方はこちらからお問い合わせください。

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